VAIO type P
第二世代のネットブックとして、最も話題になったソニーの「VAIO type P」。だがスペックや価格を見ると、これは従来のネットブックに分類できないかもしれない。

 昨年、PC市場の底上げにつながったのが、ネットブックのブームだ。いまや、ノートPCの売り上げで見ると、2割以上をネットブックが占めているほどだ。
 
 ネットブック登場の当初は静観していていた大手メーカーも、一気に製品を投入し、今やほぼすべてのメーカーがネットブックを発売していると言ってもよいだろう。

 ネットブックは、安価でコンパクトなモデルとして姿を現した。それまでの“持ち歩けるPC”は30万円近い価格だったのだから、そのインパクトは絶大だった。バッテリー駆動時間が短いとか、ドライブを持たないなどの欠点が目立ったが、買い易いこともあって、爆発的にヒットした。

 ところが、ネットブックは、パーツを選択するうえでいくつかの制約がある。その理由はさし控えるが、多くのモデルがCPUに「Atom」を採用し、OSは一世代前の「Windows XP」を搭載しているからだ。

 もちろん、ある意味で手頃な価格を実現するためのチョイスなのだが、選べるパーツが少ないと、製品としての差がつきづらいのは確かである。

 そのため、最初は「安い」というインパクトで売れたネットブックも、そのうち売れ行きが頭打ちになる時期が必ず来るだろう。僕にしてみれば、「すでにその時期に達している」とも言える。

 もちろん、メーカーもそのへんをわかっているから、さらに魅力的な「第二世代のネットブック」を色々と投入して来た。これらの第二世代モデルは、価格がやや高く、5万円台半ば~6万円台後半が多い。

 たとえば、EeePCに高級感のあるボディのモデルがお目見えし、マウスコンピューターはドライブ内蔵モデルをラインナップする。HPはデザイナーとコラボしたモデルまで投入している。

 今や、第一世代を継承したベーシックなネットブックは4万円台が当たり前なので、そう考えるとこれらは1~2万円ほど高いことになる。

 では、いくら付加価値を付けたとはいえ、これまで“安さ”で売れて来たネットブックが高くなっても、売れ続けるのだろうか? 実は、この点こそが日本メーカーが得意とするところだ。