2ケタ成長続ける
儲けの秘密

 JR大阪環状線天満駅から徒歩約5分。日本一長い天神橋筋商店街を左に曲がると、SABAR大阪天満店のファサードが見えてくる。1階と2階を合わせて席数約50席。ビジネスマンが多い大阪福島店と異なり、店内はサバのイメージが全面に打ち出されていてカジュアルな雰囲気だ。「サバランド」をコンセプトに遊びの要素が満載されている。

 店内のどこからでも見える大型スクリーンには、サバのお面をつけた顧客のスナップ写真が次々と映し出される。毎週木曜日に行われるイベントの様子だ。また、平日5~7時までの「鯖ひげ君ゲーム」では、見事ヒットしたグループの全員に、ワンドリンクが無料になるうれしいサービスがある。

「お客さん全員で楽しめるので結構盛り上がるんです。SNSを活用したイベントなど、今後も顧客を巻き込んで店内が一体化するようなイベントを仕掛けていきたい」と右田社長は話す。

 右田社長に、ずばりSABARが成功した理由を聞いてみた。

「世の中になかった専門店だったからだと思います。サバは“足”が早く、虫がわくので飲食店にとってはネガティブな魚です。しかも、大衆魚なのにスーパーに行っても切り身しか売っていない。そのせいで潜在的なサバ好きはいても、マグロのようなマーケットがなかったんです」

 SABARがサバの既成概念を変えたことも大きな成功要因だ。筆者もサバ料理といえば、サバの塩焼きくらいしか食べたことがなかったが、SABARには38種類もの料理があり、選ぶのに迷うほどだ。

「もともとサバに対する期待値が低かったこともあり、いい意味の裏切りが口コミを生み、サバ嫌いの人にも、面白い店として認知され始めている」

 その結果、SABARの売上高は2ケタペースで増収。1号店の大阪福島店は今年3月、前年同月比30%増の680万円を達成した。さらに特筆すべきは、営業利益率が業界水準を上回る25~30%を維持していることだ。

「サバに特化しているので在庫管理がしやすく、食材の過剰仕入れによる廃棄ロスが極めて低いんです。飲食店では、よく前日の食材の残りをランチに使ったりしますが、うちではその日に使い切ってしまうので、値段の高いランチが成立します」

 今後はフランチャイズ展開に切り替えて、店舗網を一気に拡大したいと語る右田社長。最終回は、サバが日常的にある暮らしの実現をめざし、おいしいサバを安定供給するための新たな挑戦に迫ります。