何事かを成すには「ハードワーク」は必須である
それに、成功をつかむためにはハードワークは必須です。
「持たざる者」であれば、なおさらです。私も、若いころは月に5000kmを車で移動してマレーシア全土をくまなく営業して回りました。休暇を取ったのは年に数日。「持たざる者」としては、とにかく労力を注ぎ込むしかなかったからです。
これは、今でも変わりません。
今でこそ、年に2回ほど2~3週間の長期休暇を取って、世界中を旅して人生を楽しんでいますが、それ以外の期間は仕事に没頭しています。約8000人の従業員と世界中の取引先のためにも、ハードワークを厭わないのは事業家として当然の責務だと考えています。
そして、ハードワークを支えるのは身体です。
私は、大学時代に柔道部に入っていて徹底的に身体を鍛えられました。
実は、当時は柔道部の練習がいやいやでなりませんでした。屈強な先輩にイジメかと思うほどぶん投げられて怪我も絶えませんでした。写真部にも入っていましたから、本当は柔道部をやめて写真部に専念したかったのですが、辞めると言うと先輩からひどい目にあわされるからしょうがないと我慢していたのです。
しかし、結果これがよかった。
前にお話ししたように(連載第6回参照)、大学で一番人気の研究室に入ることができたのも、柔道で身体を鍛えていたからです。あのとき教授が口にした、「これからは研究者も身体を鍛えた人間じゃないとダメなんだ」という言葉は真理です。研究に限らず、何事かを成そうと思えば全力を注ぎ込む必要があります。そのハードワークに耐えるだけの体力がなければ、どんなに知力に優れていてもたいしたことはできないのです。
私がマレーシア全土をほぼ無休で走り回ることも、柔道で鍛えた身体がなければとても続けられなかったでしょう。何事も一人前になろうと思えば、続けることが必須です。初めはうまくいかなくても、あきらめずに続けていれば、必ずモノにできるものです。そのために必要なのは根気や気力ですが、それを支えるのは体力。その証拠に、身体の調子が悪いと根気が続かないはずです。気力や根気の根源には体力があるのです。