「消費しなければ経済活動に貢献できない。必要なものを見きわめて購入したい」

「日本製の商品を買って日本経済を回したい。また義援金という形でなく、被災地の生産物を購入することで直接支援をしたい」

「必要で長く使えるものなら、値段に関わらず買いたい。一方、あれば便利かも程度のものは買わないことに決めた」

「自分を高められるものが出たら消費する」

 博報堂が行った調査には、女性たちからのこんな声が寄せられたそうだ。見えてくるのは「嫌消費」ならぬ「賢消費」志向。自分にも社会にもやさしい消費者になりたい、という姿勢だ。

「人々は震災前から、それまでの消費のあり方に疑問を感じていました。めまぐるしく発売される新製品や次々に追加される新機能に、『それって本当に必要なの?』と戸惑っていた。やみくもに消費し使い捨てることは、環境にとってもけっしていいことではありません。とくに情報感度の高い女性たちは、こうした企業側の差別化戦略に飽き飽きし、新しい価値を提供してくれる商品、サービスを求めていたと思います」(安藤さん)

 そこに震災が起きた。

「覚えているでしょうか。自粛ムードがまだ色濃かった4月、お花見を控えようという動きに対し、『ハナサケ!ニッポン!』という運動が展開されました。岩手県の日本酒蔵元が中心となり、『自粛するのでなく、みんなで消費することで経済的な二次被害を食い止めてほしい』と訴えたのです」

 このときすでに消費者たちは、一時、見られた買い溜め現象などによって、ひとり一人の消費行動が与える社会への影響の大きさを知っていた。「これからは消費によって社会を応援していきたい」と考えるようになった人は多いことだろう。

 買うと代金の一部が寄付される寄付金型商品などはもともとあったが、震災後は「買うことそのものが直接、応援につながる商品」に人気が集まった、と安藤さんは言う。

「東北のアンテナショップは大盛況となり、GWには1日4300人もの客が押し寄せたといいます。被災地の商品はもちろんですが、“環境に優しいボトルを使った飲料水”“幼稚園の手洗い啓発活動で大活躍しているハンドソープ”なども、さらに注目されるように。商品自体が持つ“社会へのエール性”に共感する人が増えたのです」