安倍第3次改造内閣が発足した。目新しさは特に見当たらないが、注目は、政権が、急降下した支持率を回復するために、今後どのような経済・財政政策をとってくるのかという点だ。
全体的なストーリーとしては、「金融政策」が手詰まりにあることから、支持率回復を目指す「財政政策」に重心がシフトすると考えられる。財政赤字が先進国ではすでに最悪の状況、一方で景気回復が続き完全雇用の状態で、財政のアクセルをふかすとどういうことになるのか。
消費増税は3度目の先送りか
「教育無償化」で国債増発
財政シフトでまず考えられるのは、具体的には、2019年10月に予定されている消費税率10%への引き上げの3回目の延期である。
延期が問題なのは、単に経済政策上の理由からだけではない。
10%引き上げの際には同時に軽減税率が導入されることになっているが、これについては、軽減品目とそうでない品目との仕分けや納税手続きが煩雑になることなどからスーパー業界、税理士会、青色申告会などが依然として反対している。
筆者も納税義務者(事業者)・消費者・税務当局の全員にコストを負わせる軽減税率の導入は廃止すべきという立場である。消費増税引延ばしは、この問題の先送りにつながる。