憲法改正優先、改革は後回し
安倍改造内閣の布陣から見えること
昨日、8月3日に内閣改造が行われました。良い言葉で言えば手堅い内閣改造、悪く言えばつまらない内閣改造ではありますが、新しい布陣を見ると今後の安倍政権の政策の方向性がある程度わかります。
実は私が一番注目していたのは、内閣のメンツよりも自民党の選挙対策委員長が誰になるかでした。たとえば、ここに小泉進次郎氏のような人気と知名度のある人を置いたら、衆院選は年内に行われる可能性が高いと考えられたからです。
しかし、このポストには塩谷立氏が就くことが決まりました。塩谷氏はもちろん立派な政治家です。しかし、ご本人には失礼ですが、とても選挙向けの人とは思えませんし、選挙に強いイメージもありません。
となると、衆院解散・総選挙が年内に行われることはまずないだろうと予測できます。おそらく来年後半、具体的には今回の布陣が続くであろう来年9月の自民党総裁選の後まではないと思われます。
そこからわかるのは、安倍首相にとっての政策面での最重要課題は、やはり憲法改正だということです。衆院選を年内に行なったら、与党で過半数は維持できても憲法改正に必要な3分の2は下回る可能性が高いからです。首相も官房長官も口では「経済優先」と言っていますが、実際にはこの秋以降は憲法改正優先になるのではないでしょうか。
そして、それが同時に意味するのは、おそらく当面は経済政策で改革は進まないだろうということです。