愛情を向けてくれなくなった妻が身なりに気をつかうようになり、また急に残業や休日出勤が増えたことに怪しさを感じたBさんは、「今日も休日出勤」と言って出かけていった妻の後をこっそりと尾行。果たして、妻は会社に向かわず、隣の駅で下車すると駅前に停められていた車に乗り込んだ。運転席には男性らしき人影。

 妻を乗せた車は走り去り、その日は尾行を断念したBさんだが、後日同様の機会の折は自家用車で妻を尾行した。先日と同じ車に拾われた妻は男とレストランで食事を終えた後、一路ホテルへ。後を追いかけてラブホテルの駐車場に車を乗り入れたBさんは建物へ入ろうとする2人を呼び止め修羅場となった。

「2人が食事をしているときからはらわたが煮えくりかえっていたけれど、そこで出ていったとしてもいくらでも言い逃れができてしまう。言い逃れのきかない状況が来るのを辛抱強く待った」

 妻と不倫相手は青ざめ、「話を聞かせろ」というBさんに大人しく従った。近くのファミレスに場所を移すと、不倫相手は開口一番「申し訳ありませんでした」と深々と頭を下げた。平静を装っていたBさんだったが、不倫相手のその様子を見て怒りが爆発したらしい。

「バレて謝るくらいなら最初からするなという話。妻をかばうような素振りも気に入らなかった。『お前は妻のなんなのだ』と。妻は泣き始めて不倫相手をかばおうとするし、『なぜ傷つけられた自分がさらにこんな惨めな思いをしなくてはならないのか』と無茶苦茶な気持ちになった」

 怒りはBさんの口調をさらに冷たいものに変化させた。鋭く静かな尋問によって不倫相手の素性が少しずつ暴かれていく。不倫相手の男性は同窓会で再会した妻の元カレで、仕事も家庭もきちんとある身。Bさんは真面目な自分と引き比べて、不倫をするようなチャラチャラした相手が許せなかった。ひいては相手の仕事と家庭にきっちりダメージを与えたいと思ったそうである。

「失礼を承知でうかがいますが、そこにBさんの、相手の男性に対する嫉妬のような感情はあったのでしょうか?」という筆者のぶしつけな質問に対し、Bさんは首を傾げ、ややあってからこう答えた。

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