また別のカルテでは、ストレスによる肝機能が悪化の一途をたどっていたが、主人が単身赴任するようになると、症状が嘘のようにみるみる良くなっていった。しかし単身赴任を終えて帰宅した夫とともに、病も帰って来る例も紹介されている。
発症の有無や内容にも個人差が大きいだろうが、重い病気になりうることは知っておいていいだろう。
家に「防空識別圏」が
実は私にとってもこれらは他人事ではなかった。
定年退職後も会社近くに借りていたレンタルオフィスを使っていて週に3、4日はそこで原稿を書いている。昨年、オフィスのパソコンがダウンしたので2週間くらいは家で執筆していた。
「これからは家で書き続けるのもいいかもしれない」
と私が言うと、
「パソコンが直れば事務所に戻ればいいじゃない」
とすかさず妻から反応があった。
「えっ」。
たしかに私は家事を積極的にこなすタイプではない。でも「おい、お茶」などと言うことはなく、自分ではそれほど嵩高いわけではないと思っている。食事も冷凍ものの解凍であっても全然かまわない。
「何が嫌やねん?」と聞いてみると、家にいるだけで昼食を用意しないといけないかとか、何かしら気になるそうだ。また友達とランチに出かけることもあるので、いちいち断らなくてはいけないのも嫌だという。