1日1回は大泣きさせなさい

【第2回】<br />「わざわざ離乳食はつくらん!」<br />「卒乳は6か月でもええ!」<br />いまこそ育児の呪縛を捨てよう

カヨ子 昔は“赤ん坊は泣くのが仕事”といって、しばらく放っておいたりしてました。都会の場合だと、近所から苦情が来たり、いろいろな住宅事情もあるでしょう。
  でも、余程の夜中なら別ですけど、昼間の時間帯やったら、多少泣かせてもいいと思います。むしろ1日1回は大泣きしたほうが、肺も鍛えられてええくらいです。泣き声を聞きながら、「だいぶ体力ついてきた泣き方やなぁ」とか感心しといたらいいんです。
  もちろん、何か飲み込んだとか、熱があるとか体の異常で泣いているわけではない場合の話です。しかし、母親も一緒に泣いてしまうというのは、かなり余裕のない証拠やな。

 はい、そうなんです。特に離乳食が始まってからというもの、ますます余裕がないようで。水や調味料、食材まで、かなり吟味して、ときにはわざわざインターネットで自然食品を取り寄せたりしてつくってます。一食つくるのに1時間以上はかけている感じです。

わざわざ離乳食なんてつくらんでええ!

カヨ子 私らが子育てしてたときには、わざわざ子どものためだけに「離乳食」なんてつくりませんでした。親が食べるものを、クチュクチュってかんで、やわらかくしてから子どもに食べさせたものです。

 えっ! それで、大丈夫なんでしょうか?

カヨ子 大丈夫も何も、私もそんなして育てられましたから。母親の唾液には抗体があって、それも一緒に赤ちゃんの身体に入るからいいんです。もちろん、母親に虫歯があったり口内炎があったりしたときは、やめといたほうがいいですけど。健康に気をつけて、いいものを食べて、上等の唾をつくるのも、お母さんの仕事です。

 でも、どうなんでしょう。大人の味付けでも大丈夫なんでしょうか? 一度、子どもの離乳食の残りを食べたことがあるんですけど、薄味というより“味がない”といったほうがよくて、とても食べられたもんじゃなかったんですが。