79歳にして初の単著『カヨ子ばあちゃん73の言葉』を刊行した「脳科学おばあちゃん」こと久保田カヨ子氏が、「イクメン」読者の育児の悩みに答える4回連載の3回目。
今回は、どうしたら「子育てほど面白いもんはない!」と思えるか。子どもの無限の可能性を引き出せるか、聞いてみた。対するカヨ子ばあちゃんのアドバイスは…?
(聞き手/35歳男性A:0歳7か月の子どもあり&妻は専業主婦、構成/阿蘭ヒサコ、撮影/堀内慎祐)
学歴なんて二の次! 受験に勝つ子より“生き抜く”子を育てよ
A これから子育てをしていくうえで、いろいろ悩みが尽きません。0歳からの育児で何か気をつけるべきところはあるのでしょうか。
カヨ子 はい。脳が一生のうちで一番飛躍的に発達する3歳くらいまでに、しっかりと手をかけてあげたほうが、後々ラクになります。
A 「あとがラク」というのは、有名幼稚園に入園しやすいとか、有名小学校の入試に合格しやすい、ということですか?
カヨ子 違います。テレビに出たときに、私の場合、「息子を東大に入学させた」ところだけがクローズアップされたため、そんなふうに勘違いしている人がいるんですけど、私自身は「学歴なんて二の次!」と思ってます。
そんなもんより、自分の頭で考えて、必要な時に主張し、まわりと協調しながら為すべきことを実現していく大人になったほうがずっといい。
どんな状況でも周囲に流されずに自分の意見を持っている人、それが“頭のいい”人です。
小さいうちから受験させようというのは、その家の考え方もあるやろうし、反対はしませんけど、私が目指すのは、どんな状況でも“生き抜く”子を育てること。受験にパスすることが目標ではなく、むしろ受験に失敗したときに、柔軟に対応して次のステップに進める子を育てること。「あとがラク」というのは、3歳までにその土台をつくっておけば、そのあとは子どもが自分で考えてやっていくので親自身がラク、という意味です。