このように、具体的な場面を題材に同僚と話し合っていくと、「だから自分はそういう行動を取ったのか」と、無意識の言動や深層心理に気づくことができる。そして、「ならば、次はこうしよう」というように、自分の行動のどこをどう変えるべきか、自分なりの答えが思い浮かぶようになる。誰かに教えられるのではなく、自ら気づいて変わるので、実現性も高い。

 学びとは、現実に活きる知恵を身につけることであり、知識をストックすることではない。本もビジネススクールも、きっかけや判断の拠り所は提示してくれるが、それ以上ではありえない。マネジメントの学びは、自分の経験を振り返る中で、自分に気づき、自分を変えようとすることが出発点となる。

 この新しい流れは、すでに世界に広まっている。何も特別な資格は必要ない。いくつかの留意点さえ押さえれば、あなたの職場で明日からできる。

*次回、新しい手法の具体例を紹介します。9/22(木)掲載です。
 


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【著者フィル・レニール氏来日決定! セミナーのお知らせ】

『ミンツバーグ教授のマネジャーの学校』刊行記念セミナー(通訳付き)


■開催日時:2011年10月20日(木) 19:00~
■場所:丸善・丸の内本店 3F日経セミナールーム(東京・大手町)
■参加方法(要整理券/電話予約可)
丸善・丸の内本店にて対象書籍をご購入の先着100名様に、和書売場各階カウンターにて整理券を配布します(事前に来店できない方は電話予約可)。詳しくはホームページをご覧ください。
http://www.junkudo.co.jp/tenpo/shop-maruzen_marunouchi.html#20111020event