「クリーンテック投資」は、環境技術への投資であり、対象となる技術の分野としては8つが挙げられる。即ち、「太陽光、風力、バイオ燃料・素材、グリーンビル、自動車・自動二輪、スマートグリッド、電池、浄水」である(米スマートグリッド社による整理)。

 公害対策の技術や、リサイクル、省エネの技術、緑化などとは、少し範囲がずれていて、再生可能エネルギーを含む、より多様な技術分野を含んでいるわけだ(これらの「伝統的」な環境分野は、グリーンビジネスと呼ばれることもある)。

 2006~2007年頃から、アメリカ、ヨーロッパの投資家の注目を集めだして、一つの投資カテゴリーになった。振り返ってみると、「温暖化の憂鬱」と言われるように、地球温暖化の問題が毎日のニュースを賑わしていて、否が応でも関心が高まったのかもしれない。

 日本では、堀江貴文氏や村上世彰氏ら、ベンチャー企業家、ファンド投資家が逮捕されるなど、マーケットに対する信任が揺らいでいた時期だ。

 今回は、米クリーンテックグループと、会計事務所デロイトの共同調査をもとに、相対的に詳しいデータが集計されている、米国の2008年及び2009年前半の投資動向を紹介したい。

 投資、融資、その他の民間資金を合わせたクリーンテック分野への資金の供給は、全世界で2006年が約10兆円、2007年と2008年は約15兆円である。2007年はブームの様相で額が膨らんだが、2008年は世界金融危機で年の後半に急ブレーキがかかった。

 そのうち、米・欧・インド・中国の4地域でのクリーンテック・ベンチャー企業への投資額は約8000億円、うち北米のベンチャー投資額は約6000億円である。クリーンテック・ベンチャー投資に関しては、日本は集計の対象に入らないほど小さな市場と言える。