「安全」と「安心」は違う

 建物自体に被害がなくても、室内が激しく揺れれば家具や家電製品が凶器になる。恐怖感や不安感も大きい。建物の「安全性」と居住者の「安心感」は必ずしもイコールではない。

 【表2-2】は、超高層・高層・中層マンションの居住者に震災時の自宅の様子を聞いたものだ。これを手がかりに、建物の高さや構造による揺れ方の違いと室内の被害状況、恐怖感を比べてみよう。

 揺れに対する感覚は人によって違うので一概にはいえないが、同表の証言からも、ある程度の傾向は読み取れる。

【表2-2】 拡大画像表示

 【表2-2】の赤字は室内に被害があったケースで、旧耐震基準(※1)のマンションと制震装置のない超高層マンションの高層階だった。新耐震基準(※1)で制震構造あるいは免震構造のもの、品確法(※2)による耐震等級2(新耐震基準の1.25倍の耐震強度)、耐震補強済みマンションの居住者は「室内に被害なし」と答えている。

※1 建築基準法の耐震基準で、1981年以前を旧耐震基準、以降を新耐震基準という。新耐震は数百年に1度の大地震でも建物が倒壊しないレベル。

※2 住宅の品質確保の促進等に関する法律。2000年施行。