「文章が苦手。書いている時間がツラい。メールも企画書もできれば書きたくない…」
「最初の1行を書き出すまでに、ものすごく時間がかかる…」
「文章がうまく伝わらない。しゃべって伝えることはできるのに…」
「書き直しを何度も命じられて、いつまで経っても書き終わらない…」
「数千字のレポートなどは、文字が埋まらなくて苦痛だ…」

そうした文章を書く人の悩みを全て解決する注目の新刊『10倍速く書ける 超スピード文章術』。本連載では、そのエッセンスをたっぷり紹介する。

なぜ、「1日300字」しか書けなかった超遅筆家の著者が、「1時間3000字」「5日で本1冊」の超爆速ライターに変わったのか。メール、企画書、ブログ、レポート、本1冊まで、 あれこれ悩まず「とにかく速く書き終える」ための全技術をお伝えしていく。

文章を書くなら
必ず「読んでほしい人」がいる

『超スピード文章術』が目指す「わかりやすくて役に立つ文章」を超速で書くための最も重要なポイントの1つは、「読む人をイメージすること」。

つまり「読者を決める」ということです。

私が、300字を書くのに丸一日かけていた駆け出しのコピーライター時代、あるとき、ふと疑問が浮かびました。

「……あれ? この文章を読むのは誰なんだっけ?」と。

私が当時作っていたのは、人材採用のための広告コピーでした。
読むのは一般のビジネスパーソンです。
文章を読む動機は「応募しようとしている会社について、きちんと理解したい」ということです。

だとすれば、もしかして、うまい文章など必要ないのではないか?
読者にちゃんとわかるものにさえなっていれば、十分なのではないか? 
そう思ったのです。

それから私が目指したのは「わかりやすくてスラスラ読める文章」でした。誰も「うまい文章」なんて読みたがっていない、と気づいてから、私は肩の力を抜いて文章が書けるようになりました。

それ以来、今でも、私が書き手として常に意識しているのは、文章がうまいかどうかではなく、あくまで「読者の役に立つものになっているか?」「素材がわかりやすく伝わるか?」。それだけです。

それから、私の広告コピーは「わかりやすい」「会社の魅力がイメージしやすい」「訴求ポイントがしっかりしている」と評価されるようになりました。

(※『超スピード文章術』で定義しているビジネス文章の「素材」とは、「独自の事実」、「エピソード」、「数字」。つまり、読み手に「これを伝えたい」と思う内容そのものを指す)

「読者を決めずに書く」のは「暗闇の中でプレゼン」するようなもの「つまらないプレゼン」と「伝わらない文章」の意外な共通点とは?

しかし、なぜ、「読者を決める」などという、面倒なことをしなくてはならないのでしょうか?