鹿児島にやってきた。

 台風一過で、普段の夏よりかは、幾分涼しく感じる。雄大な桜島を望む、錦江湾が出迎えてくれた。

 鹿児島の夜といえば、絶対に『天文館』だ。夕方の便で羽田を出発し、3時間ちょっとで鹿児島市内に到着。市内のホテルにチェックインした後は、とにかく天文館に一直線だ。天文館は鹿児島随一の繁華街で、旨い鹿児島料理と焼酎を楽しむことができる。

 そんな天文館で今回訪れたのは『酒食処 貞信(ていしん)』という店だ。オーナーは奄美大島の最南西端の瀬戸内町の出身で、天文館で奄美の郷土料理を供する。ちなみに「貞信」はオーナー本人の名前ではなく、尊敬するあんま師のお爺さんからいただいたそうだ。

 店のコンセプトとして、奄美大島出身の人が来た時に、鹿児島料理も楽しめるように、奄美の料理も鹿児島の料理もどちらも楽しめるようになっている。もちろん酒は芋焼酎も黒糖焼酎も両方飲める。

鹿児島で焼酎の最高の肴は、
「かつおの腹皮」

かつおの腹の部分をシンプルに焼いた料理。酢じょう油で召し上がれ。

 鹿児島に来たら絶対に食べたい、焼酎に合う最高の肴といっても過言ではないのが、枕崎の名物、「かつおの腹皮」(はらかわ。はらす、はらじなどとも言う)。枕崎は遠洋漁業の基地としてだけではなく、古くから鰹節をはじめとした、鰹の加工品で栄えた漁港だ。そのシェアは圧倒的で、全国の鰹節の40%を誇っているという。