「パパ活」とは近年、主に若い女性たちの間で密やかに行われている「パパ(金銭的援助をしてくれる男性)」を求める活動のことである。「パパ」といっても、一昔前の「愛人関係」という形とはやや異なり、パパとパパ活女子の間には割り切った金銭の応酬が存在する。野島伸司脚本のドラマ「パパ活」も話題だが、実際のパパ活女子大生の実態とは?(清談社 藤野ゆり)

奨学金でギリギリの毎日を送る女子大生 
困窮する日々を救った“パパ活”

「月に自由に使えるお金は、2~3000円。1人暮らしのアパートはボロボロの木造だし、キラキラ女子大生とは程遠い毎日です。パパ活は、私にとって生きる手段で、最低限度の生活を守るための術なんです」

パパ活女子大生が抱える奨学金問題、未来は「何とかなる」の閉塞感初めてのパパ活は、高そうなフレンチレストランにて。40代男の自慢話を2時間半、作り笑顔で聞いて1万円をゲットした。「つまんなかったけど、お金のためにガマンした」。ただし、身体だけは売らないと決めているという(写真はイメージです)

 こう訴えるのは、パパ活で生計を立てながら東京の大学に通う女子大生、今井アンリ(仮名・18歳)だ。小麦色の肌には10代特有の艶があり、笑うと八重歯が露出して幼い印象を与える。

 肩が全開になったオフショルダーのブラウスを堂々と着こなし、若さと美しさからくる自信に満ち溢れた表情をしていた。まだ新しそうなサマンサタバサのバッグには、大学の教科書やルーズリーフがパンパンに詰まっている。

 アンリは、今年の春に関西から上京してきた大学1年生。上京して間もない割にすっかり標準語になっているのを不思議がると、「ドラマとかよく見てたし、割とすぐ標準語になったかも。でも気抜くと、すぐ出ちゃいますよ(笑)」と悪戯っぽくはにかんだ。

 女性というより、まだ少女のようにあどけない。3月に高校を卒業したばかりなのだから無理もない。中高時代は部活に明け暮れた、根っからの体育会系女子だというアンリは、大学でもテニス部に所属し、練習の日々を送る。

「まだ1年生だし、授業は2限から4限まで、ほぼ毎日入れています。だいたい10時半から16時ぐらいまでかな。その後は毎日、部活。16時半から21時、長いときは22時までですね。終わったらもうクタクタで、バイトなんか絶対ムリ」

 もともとアンリが現在の大学を志望した理由も、テニス部が強いとされていたから。どれだけきつい毎日でも部活を辞めるという選択肢は考えられないと言うが、部活によって生活が逼迫しているのは明らかだった。

「いまは1人暮らしの家賃4万円を親に仕送りしてもらって、月々の奨学金5万円と合わせて9万円で生活しています。5万のなかから、水道光熱費で1万円、通信費5000円、交通費や部活にかかる費用で1万円。もうこれで残りは2.5万円。あとは食費。洋服買ったり、大学の友だちと1回でも飲みにいったら、もう何もできません」