話題選びの判断プロセス
まずは「距離感をつかむ」

 時事ネタは、様々なメディアで多くの人が目にすることになるので、共通の話題にしやすいものです。ただし、「私はこう思う」というポリシーを強く出しすぎてしまうと、相手が引いてしまったり、対立構図が出来上がって雑談が楽しい雰囲気にならず、緊迫感あふれるディベートが始まったりするかもしれません。

 もちろん、ディベートを楽しむというのも一つの手ではあるのですが、大多数の日本人はディベートが苦手で、雑談の場においては険悪な雰囲気になりやすい傾向があります。

 ではどうすればよいか。

 私は前述の通り「まずは距離感をつかむための質問をする」ことから始めます。先ほどのワールドカップの話を例にとれば、「スポーツが好きかどうか」でまず距離を測ります。これは本人が雑談に乗ることができるかどうかの距離感を知るための質問です。

 次の「ワールドカップを見たか」という質問は、「その話題を共通項として話し続けてもいいか」の確認になります。相手がサッカーにとても詳しいことが分かれば、あとの雑談は質問だけで成立します。

「あのシュートは難しいんですか?」
「ハリルさんの采配はどう思われましたか?」
「ワールドカップ本番で勝つためには何が必要ですか?」

 相手は、まるでサッカー解説者になった気分でいろいろ話してくれるでしょう。ワールドカップのようなメジャーな時事ネタでなくても、一般的な話題も質問から入ることができます。

「夏休みはどこかに行かれたのですか?」
「スマホのアプリはどんなものをお使いですか?」
「その靴はどちらで買われたのですか?」

 そして、ここに一工夫を加えることができます。

「とてもいい色に日焼けされましたね。夏休みでどこかに行かれたのですか?」
「新しいスマホ、かっこいいですね。どんなアプリをお使いですか?」
「とても素敵な色合いの靴ですね。どちらで買われたのですか?」

 ちょっとポジティブな感想を付け加えることで、質問を受け取りやすくすることができます。このちょっとした感想は、雑談を始める際のクッション材の役割を果たしてくれます。「なんでそんなこと訊くんだ?」という印象を持たれにくくするためには、大変有効だと思います。