二つ目の事例は金融商品の営業マンとお会いした時のこと。

 その営業マンは会ってすぐに出身地の話をしてきた。初対面の際、自己開示は必要なこと。実際、自分がどういう人間なのか、自分のことを話すことで相手の警戒心が解けることも多い。

 しかし、それも限度がある。

 その営業マンは“徳島の名物”や“阿波踊りのしきたり”などを30分近く語っていたのだ。残念ながら私はこの話題にそれほど興味を持っていない。

 だからと言って、相手が盛り上がっている中「その話はもういいですから」とはなかなか言いにくいものだ。

 あたかも興味があるように話を聞くしかない。雑談を聞かされる方も結構気を使うものなのだ。タイミングを計り「この後予定があるので」とその営業マンと別れた。

 もちろん二度と会うことはなかった。

雑談は二種類ある
相手にメリットのある内容が重要

 では、営業やビジネスに雑談は必要ないのだろうか?

 私は雑談には2種類あると考える。

 一つは先ほど2例のようにたわいもない雑談だ。

 アイスブレイクのために数分ならいいが、いつまでも続けばお客様はうんざりしてしまう。これは気をつけなくてはならない。

 もう一つの雑談は“相手が興味を持っていること”もしくは“相手にとってメリットがある情報を提供する”というものだ。

 私はこちらを強くおススメする。

 その好例を紹介しよう。ある生命保険の営業マンとお会いした時のことだ。

 その営業マンはお会いしてすぐに「私のお客様で、菊原さんと同じように起業している人がいましてね。節税についていいことをお聞きしてきました」と言ってきた。私が身を乗り出して話を聞くと、全額税金対象になる国で行っているサービスの話のようだった。