オート(自動車)ローンで業界トップクラスの貸し付け実績を誇る、信販業界大手のオリエントコーポレーション(オリコ)。2016年6月に社長に就任した河野雅明氏に、この1年間の総括を聞いた。
──就任当初、どのような課題意識を持っていましたか。
およそ1年前に社長に就任したとき、当社は(バブル崩壊後の)不良債権処理や貸金業規制法の改正、過払い金返還請求といった厳しい時代から立ち直り、安定的に収益を生み出せるような体質になったところでした。
そこで、社員や株主に対しては、再生から攻めのステージへ転換しようと熱心に伝えてきました。
デフレや人口減少など、国の環境変化に伴い、消費者の志向も変わっています。当社が得意としてきた自動車も、ローンを組んで買う時代から、シェアする時代へと変化しつつあります。
こうした変化を認識するには、顧客目線に立った組織横断型の発想が必要です。そのために、人事・風土改革に力を入れました。
──新しく始めた取り組みは?
一つが、常務以上の執行役員が支店を回って、社員と意見を交換するタウンミーティングです。
特に若手は、経験が少ないからこそ「これは変だな」と気付くことがあります。その気付きについて、経営陣と話す場を設けました。これが企業文化を変える原点になるのでは、と期待しています。