最近は、多くの店で買い物をするとポイントやマイルが付与されるというサービスが広がっている。今や「第二の通貨」と言われるほどだ。
ポイントやマイルのメリットは、言うまでもなく顧客のロイヤリティ向上によって顧客の「囲い込み効果」が見込めることである。一方、利用する側からしてみれば、実質的な「割引」とも言えるわけだから、こちらも “お得感”があり、双方にとってメリットがあるように思える。
ところが、こうしたポイントサービスも、行動経済学のフィルターを通して見ると少し異なる風景が見えてくる。
ポイント還元と現金値引き
どちらが得なのか
まず、家電量販店などで実施している「ポイント還元」と「現金値引き」、同じ10%の場合、一体どちらが得なのだろうか。
具体的な例で考えてみよう。仮に10万円でテレビを買ったとする。現金値引きの場合は当然1万円が値引きされて戻ってくる。ところがポイント付与の場合、出すのは10万円だが、1万円分がポイントとして付与される。ここまでだと同じ10%なのでどちらも変わらない印象だ。ところが厳密に考えると、かなり割引率は異なるのだ。