あなたの周りに、仕事ができなさそうに見える上司・同僚・部下はいませんか?そのような人たちに対して、あなたは腹を立てているかもしれません。でも、本当に彼らをきちんと理解できているでしょうか?
実はそんな『トンデモ社員』こそ、会社を救う存在かもしれないのです。
エリート新入社員、
大手企業で活躍する…?
大手企業に勤めていたA氏。彼には、自分が『トンデモ社員』という認識はありませんでした。高校・大学からのエリートコースを歩み、就職活動もそれほど苦労せずに決められたA氏。気遣いもでき、頭の回転も速く、入社当初から目立つ存在でした。
多くの新入社員同期の中で、研修成績は上位5%に入る好成績。得意でない分野もまんべんなく成績を上げていたA氏は、将来も期待されていた新人だったようです。
そんなA氏の配属先は新規事業開発部。この会社の中ではエリートコースと言われている部署の一つでした。自分で新たな商品・サービスを提案し、作っていくという仕事。最初は個別に提案書を作り、課内で意見をもらうことから始まりました。
ここでも、A氏は他の新入社員よりも早く、新たなサービスを企画して提案しました。先輩や他の同期も提案をするのですが、A氏にはあまりよい提案には見えません。特に先輩や上司は、仕事ができない人ではないのかと、不安になるくらいでした。A氏は、自分が企画したすばらしいサービスで、そのうち会社を変えることができるのではないかと想像を膨らませていました。
しかし残念ながらA氏が最初に企画したサービスはなかなか採用されず、事業化することはありませんでした。でも、A氏だけでなく他の若手社員の企画もほとんど採用されていなかったので、そのうち認められるだろうと楽観的に考え、会社員生活を日々楽しく過ごしていました。