あなたの周りに、暇そうで仕事もできなさそうに見える上司・同僚はいませんか?そのような上司・同僚に対して、あなたは腹を立てているかもしれません。でも、本当に彼らを理解できているでしょうか?
実はそんな『トンデモ社員』こそ、会社を救う存在かもしれないのです。
中規模システム開発企業X社で、経理部に勤務している課長補佐A氏。50歳手前にして、風貌は60代以上。とはいえ、貫禄があるわけでもなく、年老いたという感じの目立たない存在。そんなA氏への周りからの評判は、最悪でした。なぜなら、他の人が忙しく働いている中、日中は何をやっているかわからずに、ぼーっとしているばかりだからです。
終業時刻である17時半の定時になる前から帰宅準備をしていて、すぐに帰ってしまう、まるでドラマのダメ社員そのままといった人でした。部外からも評判は良くなく、特に若手社員からは「経理部の給料泥棒」とまで陰口を叩かれていました。
部内では、さらに不評。上司となる課長は年下で、いつもA氏に対して敬語で話しています。そんなA氏に、部下も強く言えるわけがありません。また、特に昼過ぎには時間のかかりそうな仕事は部下に押し付け、部下がわからないことがあっても、定時に帰ってしまいます。
X社では2~3年間で異動することになっている若手社員たちから、「Aさんの部下にだけはなりたくない。もしそうなったら、しばらく自分のやりたいことは何もできない」とまで言われていました。
仕事ができなくても、会社を盛り上げるようなムードメーカーであればまだいいのですが、パソコンのディスプレイを見ながらブツブツ言っているような日中を過ごすA氏。昼食を他の人と一緒に食べに行くようなこともありません。