Evernoteを使い倒して気づいた「整理しない整理法」

 Evernoteを使われている方の多くがどのようにEvernoteを整理するのか、ということについて悩まれているのではないかと思います。少なくとも私は、今でこそ悩みは減少しましたが、使い始めたばかりの頃はずっと「どう整理するのか」についてばかり考えていました。

「ライフログを残す」ということに限らず、Evernoteを使われている方の多くがこのようなことで悩んでおり、事実多くの「私はEvernoteをこのように使う」というような記事がインターネット上ではよく話題になっています。

 私の場合、こういうことを考えたりするのが「好きなこと」だったので、楽しんでいろいろな使い道を考え続けていましたが、現段階での私の結論は「とりあえず整理しない」ということに落ち着きました。

 Evernoteに記録をどんどん残していくと、「どのように整理したらいいのか」ということは自然にわかってきたのです。

 まず、Evernoteに自分自身の記録を残していく中で、大きな発見がありました。

 それは、自分自身ですら自分のことはよくわかっていない、ということです。自分は一体どういうことに興味があるのか。そういったことですら客観的に把握できていなかったのです。

 仮にその時に自分が興味があると思っている「ビジネス」「自己啓発」「iPhone」などといった分類で整理をしようと思っても、興味がなくなればそのような分類は邪魔なだけです。

 分類はきっとどんどん増えていきますし、分け方が曖昧なものも必ず出てきます。そうすると、このノートは「A」に分類するべきなのか「B」に分類するべきかよくわからなくなる。こういった事態は「整理」していると、多くの人が経験することではないかと思います。

 だから、整理しない。

 整理の仕方に悩むよりも、まずはとにかく記録を残してみる。その方が余計なことで悩まなくてすみますし、記録を見返していれば自然と自分向けの整理方法は見えてきます。

 極論してしまえば、記録さえ残っていれば必ずその「記録」は見つけ出すことはできます。しかし、残らなかった記録は失われてしまえば取り戻すことはできません。整理の仕方で悩むよりも、まずは自分を把握するためにより多くの記録を残すようにする。

「記録したこと」は客観的に把握できる「自分が興味のあること」です。
(最終回に続く)
 

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五藤隆介(ごとう・りゅうすけ)
1980年愛知県生まれ。愛知県在住。ブロガー兼ライター。EvernoteをメインテーマにEvernoteへの記録手段や整理方法、発見、試行錯誤を 記載したブログ「goryugo, addicted to Evernote」主宰。Evernoteについて日本一詳しいブログとして多くのファンを集める。Evernoteは「すべてを記憶するツール」という 信念の元、あらゆる出来事をライフログとしてEvernoteに記録し続けている。人気ブログ「シゴタノ!」やウェブメディア「マイコミジャーナル」でも 連載を持ち、ファンを拡大中。Evernote好きが高じて、米Evernote本社CEOの来阪時に、ユーザーグループiPhoneCUGと共に、 Evernoteユーザーミーティングを主催。
goryugo, addicted to Evernote http://goryugo.com/

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