M&A“2連敗”
20年へ達成なるか 海外事業の黒字化

 目下の重要課題は海外事業の立て直しだ。海外展開を加速しようと、11年に米エイチツーオープラス、12年に豪ジュリークを買収したが、11年12月期以降は海外事業全体で黒字化したことがなく、16年12月期は40億円の赤字。「M&A(企業の合併・買収)2連敗」「買収下手」と社外からの評は厳しい。海外売上高の比率を他社と比較しても、図(3)のように小さい。

 苦戦の理由は明白だ。エイチツーオープラスは伸びしろと位置付けた中国で値引き販売などブランドを毀損する売り方をして、客離れが起きた。中国から撤退した今はリブランディングに集中している。ジュリークはマネジメント層の入れ替えが頻繁で開発が滞り、新商品が不足した。しびれを切らしたポーラ・オルビスHDは約1年半前、自社からトップを送り込み、新商品開発フローを見直した。「今期後半から徐々に効果は表れる」と橋課長は言う。

「高収益グローバル企業へ」が目標の新中期経営計画(17~20年)では海外事業全体での黒字化を「必達」としており、橋課長は「海外展開する基幹ブランドはかなり順調。買収2社もおおむね計画通り」と自信をのぞかせる。しかし、「ペースが遅く、厳しいとみるのが一般的」と森将司・クレディ・スイス証券アナリストは懐疑的だ。

 国内も盤石なわけではない。ポーラに続く基幹ブランドで中価格帯のオルビスは、低価格帯と高価格帯の「二極化」の波にのまれるなどし、減収トレンド。戦略シフト、ブランド強化に懸命だ。

 頭打ちの国内市場で改革の手を緩めず、かつ海外事業で売り上げ規模を確保しなくては、コーセーはもちろん、その先にいる資生堂、花王の背中は見えてこない。