あなたは、社内で有利な立場に立とうとするあまり、自分に無理をいって気の合わない派閥に参加していないだろうか。だが、それは危険かもしれない。長期的な視野では、社内政治で同僚に遅れをとる可能性がある。
「社内政治は他人事」と思うなかれ。どのような役職に就き、どのように働いていても、誰もが逃れられないのが社内政治なのだ。平社員、管理職、社長、そして自営業者でさえ避けられない。
では、同僚を信頼しすぎるとどうなるのか?
社内政治の「隠れたルール」をまとめた話題の新刊『ハーバード・ビジネス・レビュー公式ガイド 社内政治マニュアル』から、一部抜粋して紹介する。

「強い派閥」に憧れていたあの頃

 とても人気のある会社で出世への足がかりとなる地位に就いたとき、わたし(レベッカ)は興奮しました。

 でも、わたしはまぎれもなく安月給の、いわばトーテムポールの下のほうにいる女性でした。同僚たちが集まってランチに出かける日も、一緒に行く余裕なんて少しもありませんでしたし。

 でも、誘ってほしいと思いましたね。

 彼らは排他的な派閥でした。

 一緒に食事するだけでなく──週末の計画やいろいろなことを話し合っていたし、上司とは気さくで楽しそうな親密な関係を築いていて。意地悪なんかしてこなかったけれど、彼らにとってわたしは目にも入らない存在だったんです。