「憧れの派閥」に入って気づいたこと

 わたしはこの〝かっこいい一団〟のひとりと、彼女の後輩として2、3のプロジェクトで一緒に働きました。

 わたしは懸命に仕事をして、彼女がいいところを見せられるようにしたのです。

 そんなプロジェクトのあと、彼女はわたしに対して好意的になり、終業後に自分のグループと食事したり飲みに行ったりするときに誘ってくれるほどになって──たいていは急に行こうという話になるので、わたしはやり繰りを考える暇もなかったわ。

 でも、せっかくのきっかけを失いたくなかったから、初めて誘われたときは承諾しました。

 その晩のあとも、彼らは誘ってくれるときもあれば、声をかけてくれないときもありました。毎回、誘いを承諾したわけじゃなかったけれど──そこまでのお金はなかったので──どうにかその派閥に入り込めたとわかりました。

 それとともに、仕事でも前より受け入れてもらえるようになったの。

 わたしは派閥の一員だと感じるようになり、仕事も前より順調にいっていると思いました。自信がついたんですね。

 でも、そのうちに、仕事に楽しみを見いだしている人のほうに自分がもっと惹かれると気づきました。お酒を通じて親しくなるなんて、本当のわたしらしくなかったんです。