近年、日本全国・各地方自治体のPR動画がかなり面白いことになっている。「おおっ!」と度肝を抜かれるものや、思わずニヤッとしてしまうものも多い一方で、タレントの壇蜜を起用して最近話題になった宮城県の観光PR動画のように、行きすぎた内容に批判の声が殺到して配信中止に追い込まれた動画も…。各地方自治体がしのぎを削るPR動画は、一体いつからこんなことになっているのか?(フリーライター・青柳直弥)
佐渡島は絶叫メタル!
自治体のPR動画がアツい
自治体のPR動画といえば、主に「地方創生」「移住促進」「観光客の誘致」などを目的につくられる、おらが街(市)をPRするための動画のこと。そのほとんどはYoutubeで観ることができるのだが、ここ数年、映画や音楽のPV顔負けの凝りまくったPR動画が話題になることが多くなった。
たとえば、新潟県佐渡島の観光PR動画は、プロのメタルバンド『THE 冠』が佐渡島の魅力をメタルのオリジナル曲で表現した、その名も『SADOMETAL』。佐渡の朴訥とした光景の中、メタラーたちが歌い叫ぶPV風の動画は、「殺戮したての魚介類ども」など歌詞も強烈でインパクト絶大だ。
また、現時点で110万超のアクセスを記録している宮城県登米(とめ)市のPR動画『Go! Hatto 登米無双』は、一般家庭のおばあちゃんが、ジャッキー・チェンの映画ばりに敵をバッサバッサとなぎ倒すアクション動画。ただのオフザケ動画のようにも思えるが、市民に愛される「はっと」というソウルフードをつくる際の手の動きで、ジャッキー・チェンの蛇拳や酔拳のように敵を追い詰めていくところに、きちんと登米市の特色も盛り込んだ動画となっている。
どれも観ているだけでニヤニヤしてしまうが、自治体のPR動画は、一体いつからこんなことになっているのだろうか?