「本を読んでも成長しない人」がやりがちな“絶対NG習慣”とは?
「読むのが速い人の秘密」がわかった!
読書中、私たちは文字を脳内で“音”に変換し、その音で理解しています。ポイントは「音の理解速度」。ここを鍛えれば、読書は一気に変わります。本連載は、耳から脳を鍛え、速読力を高める「速聴トレーニング」をお伝えするものです。脳を鍛えることで、理解力、記憶力、集中力もアップします。そのノウハウをまとめた『耳を鍛えて4倍速読』の刊行を記念し、本記事を配信します。
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「本を読んでも成長しない人」がやりがちな“絶対NG習慣”とは?
本日は、「本の読み方」についてお伝えします。
「自己啓発の本をいろいろ読んでいるのに、人生が変わった実感がない」「知識は増えるのに、行動に移せない」。こうした悩みは少なくありません。
まずお伝えしたいのは、あなたの意志が弱いからではなく、読書の効用をひとつに決めつけてしまうことで、効果が見えにくくなっている可能性が高い、という点です。読書にはいくつかの役割があるのに、「読んだ以上、実践しなければ意味がない」「読んだ以上、すぐに変わらなければならない」と、すべての本を同じ基準で評価してしまう。これが、読書を続けているのに成長しない人に共通しやすい特徴だと考えています。
本の読み方① カンフル剤的に読む
たとえばビジネス書や自己啓発書は、大きく三つの読み方に分けられます。第一に、気分を高揚させるための“カンフル剤読書”です。読んだ直後に「やってみよう」と気持ちが前向きになる本があります。体験談が豊富で、言葉の力で背中を押してくれるタイプの本です。これは知識を得るというより、動き出すための点火に近い役割を持っています。確かに高揚感は長続きしないこともありますし、理想と現実の差に途中で気づくこともあります。ただ、動き始めれば理想と現実の距離は縮んでいきます。だからこそ、最初の一歩を踏み出すための手段として、この種の読書は十分に有効です。周囲から軽んじられがちな分野ではありますが、目的に沿って使う限り、価値が損なわれるものではありません。
本の読み方② さらっと読む
第二に、知識のかけらを積み上げる“さらっと読書”があります。断片的に知識を増やし、「こういう考え方がある」「こういう仕組みがある」と、理解の材料を少しずつ集めていく読み方です。この読み方は、読んだ直後に生活が劇的に変わることを目指すものではありません。むしろ、後から知識同士がつながったり、必要なときに調べる入口になったりして、時間差で効いてくる読書です。
たとえば、高級ホテルの世界について何も知らなければ、関わる機会が来たときに不安だけが先に立ちます。しかし「マナーがいくつかあるらしい」と少しでも知っていれば、必要なときに調べられます。つまり“少し知っている”状態には、「調べに行ける」という利点があるのです。さらっと読書は、行動の材料というより、視野と選択肢を広げる基礎として捉えるほうが適切です。
本の読み方③ 知りたいことを学ぶために読む
第三に、知りたいことを学ぶための“実践読書”があります。多くの人が求めているのはこれでしょう。ここで重要なのは順番です。「本を読んでから実践する」と考えるほど、実践が遠のくことがあります。実践読書は、実践したいことが先にあり、そのために読む、という順序が基本です。
言い換えるなら、アウトプットからインプットへ進む発想です。アウトプットが得意な人ほど、先に試してみて、どこでつまずいているのかを特定し、その問題を解くために本を使います。受験勉強でいえば、最初に問題を解いて、わからない箇所を教材で確認し、理解を積み上げていくやり方に近いです。仕事でも同様で、まず現場で試し、どの局面でエラーが出るのかを見つけ、その一点を解消するために読む。このとき読書は、知識を増やす行為ではなく、エラーを潰すための道具になります。
「読書しても何も変わらない人」のNG習慣とは?
さて、読書しても人生が変わらない人に共通しやすいのは、読書の目的を区別せず、どの本にも「実践して成果が出ること」だけを求めてしまう点、そして、インプット起点でアウトプットしようとする点です。
対策は明快で、いま自分がしている読書が三つのどれに当たるのかを意識することです。カンフル剤読書なら、まず気持ちを上げて、小さな一歩につなげる。さらっと読書なら、行動に直結しなくてよいと割り切り、知識の土台として蓄える。実践読書をしたいなら、先に小さく実践して、つまずきを言語化し、その穴を埋めるために読む。これだけで「読んでいるのに変わらない」という苦しさはかなり軽くなります。
すぐできる工夫
すぐにできる工夫を一つ挙げるなら、「次に読む本は、いま困っていることに直接関係する本に限定する」ことです。困りごとが見当たらないなら、意図的に課題を発生させましょう。詰まった箇所が明確になった瞬間に、本の内容が「知っている」から「使える」に変わります。順序を入れ替えるだけで、同じ読書量でも得られる手応えが変わってくるはずです。
(本原稿は『耳を鍛えて4倍速読』の一部抜粋・加筆を行ったものです)







