金融機関が教えてくれない
続けるためのマインド面の「コツ」
インデックス投資は、最初に積み立ての設定をしてしまえば、毎月の作業が自動化できます。つまり投資家としては資産をただ持っているだけで、「何もしない」時間がほとんどになります(年に1回のリバランスは必要ですが)。
何もしないということは、本来簡単なことのはずです。
でも、この情報化社会では、TV・新聞・PC・スマートフォン等から、次々と情報が流れ込んできます。いざ相場下落の情報が流れてくると、どうしても自分の保有資産の損失額が気になりだします。
特に、2008年のリーマン・ショックに端を発した世界金融危機の時や、本コラム執筆時点(2011年10月8日)では、新聞は連日「世界同時株安」「最安値更新」などと、まるでこの世の終わりのようなトーンの報道ばかりしています。
いっそ保有ファンドを全部売ってしまい、損失を食い止めたいという衝動に駆られることもあるでしょう。
実は、そんな不安な気持ちに打ち勝ち、インデックス投資を長く続けるためのマインド面の「コツ」があります。
これは金融機関では教えてくれないことです。なぜなら、投資家の不安心理こそが、金融機関の商売の種でもあるからです。
投資家の不安心理につけこみ、「損失が出ているファンドは売却して、今後有望なこちらの新しいファンドに乗り換えて取り戻しましょう」などと言って、金融商品の売買を促進することで、金融機関は手数料収入を得られるわけです。
不安だという気持ちだけで
ファンドを売ってはダメ
ファンドを売りたくなったら、まず、その理由は合理的なものかどうかを考えるようにします。
それが合理的な理由であれば、ファンドを売却するべきだと思います。
例えば、「知らないうちにリスク許容度を超えたリスクを負っていた」とか「子どもが生まれてライフプランが変わった」ということであれば、これはファンドを売却してキャッシュを確保するのが合理的です。
しかし、単に「不安だ」という気持ちだけの問題だとすると、それは合理的な理由とは言えません。少々不安であってもリスク許容度の範囲内であれば、売らないことが合理的ということになります。