未訳の最新ビジネス洋書のエッセンスが詰まった書評レポートを、PDFファイルで閲覧・ダウンロード提供する本連載。今回取り上げるのは、『HARDな目標を立てよ~モチベーションを継続し目標を達成する方法』です。(書評レポート提供/エグゼクティブブックサマリー

目標の立てかたと
達成のしかたのコツ

 目標を達成することの喜び、これは、人が成長する過程においてあらゆる経験を積む上で、とても身近にあるものです。

 ビジネス、プライベートにかかわらず、物事に取り組む際、それなりのプランニングを描く作業そのものが、目標設定であるとも言えるでしょう。そしてそこには必ずゴールが存在します。このゴールを真剣に目指し、絶対に達成したいと願うとき、人は、心的感情として喜怒哀楽のいずれかを伴う体験をします。

 ゴールまでの距離(時間)、障壁の高さ、これをクリアするか否か――この体験こそ、自分自身のその後の目標設定の仕方に大きく影響を与えるのではないかと思います。

 それでは、目標を達成するには、一体どのような方法が最も効果的であると言えるのでしょうか?

 その具体的な方法を縮約し一言で言うならば「ハードな目標を立てる」ということにあるでしょう。これは本書のタイトルでもあり、この言葉にすべてが集約されているといっても過言ではありません。著者のマーク・マーフィーは、目標設定のパターンとして困難を回避し矮小な目標設定をする、あるいは、漠然と壮大な目標を掲げる一方で状況が悪くなるといつでも断念可能な設定をする、などを何よりも危惧すべきと言います。またほとんどの人がそのような、いわゆる間違った目標設定の方法を選択するということも立証されています。

 ハードな目標を立て、実現するための条件は、たとえば以下のようなものがあると著者は述べます。

条件1)心からのつながりを保つ
 まず目標そのものを心から、大切な価値ある存在であることを、きちんと認識することから始まります。それはあくまでも、他人が設定したものではなく、自分にとって最高に価値のある事項、生きがいと銘打つことができるものである必要があります。

条件2)イメージを描く
 これは、モチベーションを維持する上で要となる部分です。本来、人は、五感の中でも視覚が優位に働くと言われています。最も刺激的な印象を記憶に残すのは視覚的効果であり、特に進化の過程において文字よりも映像に大きく影響を受けやすいということが重要視されています。

条件3)先延ばしを阻止する
 目標を「いつか」に設定するとその「いつか」は、いずれは過去となります。そんな習慣は、決して目標を達成することはありません。これは、その目標を達成しなかった結果発生する問題、または、その問題が引き起こす最悪の事態を創造する力や目的の真意を探ることで解決への糸口が生まれます。

 こうした条件すべての統合が、モチベーションの核となり、自分を目標へと突き動かすエネルギーとなります。

 生きがいを実感し、ワクワクとした目標を達成したいとお考えの方、または、目標を持つことの素晴らしさを心から味わいたいと思われる方、老若男女問わず、是非ともお薦めしたい一冊です。

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