新党「希望の党」を立ち上げ、連日のように永田町に激震を起こし続ける小池百合子都知事。次なる一手は、松井大阪府知事、大村愛知県知事とともに打ち上げた「三都物語」。突然野党の手綱を握り、選挙を知り尽くしたさすがの戦術だが、肝心の中身は「しがらみのない政治」など具体性に欠けるものに終始した。とどまるところを知らない小池旋風から、選挙の空虚さが浮き彫りになる。(政治ジャーナリスト 黒瀬徹一)
胸騒ぎの旅が今始まる
永田町を震撼させる小池都知事の豪腕
三都物語――。
かつてJR西日本のCMで流れていた谷村新司さんの名曲のタイトルでもあり、情緒溢れるキャッチーな言葉だ。
新党「希望の党」を立ち上げ、連日永田町を震撼させ続けている小池百合子都知事の次なる一手は、松井大阪府知事、大村愛知県知事との3大都市間での連携だった。
次々と話題を提供する小池劇場は、与党だけでなく野党も含めて、議員や候補者達の胸騒ぎを駆り立てる。希望の党への合流ができなかった、あるいは、したくない議員たちによって新党設立の動きも出ている。
選挙を知り尽くしたさすがの戦術であり、次々と新しい手を繰り出し、野党再編を推し進める豪腕は見事と言うしかない。
ただ、「三都物語」の肝心の中身を見てみれば、「しがらみのない政治」など、別に「3大都市でなくてもいいのでは」という具体性に欠ける内容に終始している。
この「三都物語」は、具体的にどんな選挙協力につながるのか。