総選挙の争点「消費増税」を焦ってやるべきではない理由衆議院の解散を表明する安倍晋三首相。消費増税の使途変更を理由とした Photo:AFP/AFLO

安倍晋三首相による“電撃解散”で幕を開けた衆議院の総選挙。小池百合子東京都知事が「希望の党」を立ち上げて代表に就任するや、民進党の大半が解党しながら合流するなど、波乱含みの展開となっている。そうした“政局”の陰に隠れた観もある総選挙の争点の一つ「消費増税」は実施すべきなのか。久留米大学商学部の塚崎公義教授が、消費増税について解説する。 

  9月25日、安倍晋三首相は首相官邸で会見し、28日の臨時国会の冒頭に衆議院の解散に踏み切ることを表明した。

 この会見の中で、安倍首相は「国難突破解散だ」と述べ、解散の理由について、消費増税の使い道を「2020年度までに3〜5歳の幼稚園・保育園費用を無償化すること」などに変更するとし、「国民の信を問いたい」と述べた。

 一方、「希望の党」の小池百合子代表は「消費増税の凍結」に言及、民進党から希望に合流せず、「立憲民主党」を立ち上げた枝野幸男代表も、消費増税には反対の立場と思われる。