「反対の人の声は大きく、賛成の人の声は静か」なのは、世の常である。実際、安保法制が成立した翌年の参院選で、野党は惨敗した(2016.7.19付)。筆者は、国民のボリュームゾーンを形成しているのは、中流層(消極的保守支持層)であり、「自称リベラル派」は、せいぜい国民全体の10%ではないかと思う(2017.9.26付・P2)。メディアや識者が元気になるほど、リベラル支持が本当に盛り上がっているのか、疑問に思っている。

 そもそも、「自称リベラル派」は、「北斗の拳」風にいえば「お前はもう死んでいる」という状態なのではないだろうか。立憲民主党の立候補者62人のリストを見た(朝日新聞デジタル2017.10.6付)。正直、厳しい状況だと思った。小選挙区で勝てるのは、枝野幸男氏、荒井聰氏、赤松広隆氏、近藤昭一氏くらいではないだろうか。長妻昭氏、辻元清美氏、菅直人氏は難しい。他は正直、勝てる感じが全くない。要は、政治家個人としての魅力がない人ばかりなのだ。

前原代表の「希望の党合流」が
表面化した時点で勝負はついていた

 立憲民主党で62人しか擁立できない時点で、既に勝負はついているのだ。つまり、小池代表、前原代表に水面下で「民共共闘解体」を仕掛けられていたことに、共産党の幹部が気がつかなかったことが最大の問題なのだ。要はその間に、「喧嘩師・小池百合子」に水面下で仕掛けられて、野党共闘は滅茶苦茶にされていたということだ。

 だが、そのことが追及されることはないだろう。むしろ「最悪の状況から盛り返した。大勝利だ」といつものように総括して、共産党幹部の責任問題にはならない。立憲民主党も、反省すら許されず、黙りこむことになる(2016.7.19付)。

 このような幹部に対する批判を一切認めない、「言論の自由」のない体質こそが、「自称リベラル派・護憲勢力」が幅広い国民の支持を得られない元凶なのだが、それは今後も変わることはあるまい(2015.8.12付)。多少は盛り上がっているので、比例代表で少しは救われるだろう。それでも15議席獲得というところだろうか。これは「第二社民党」の誕生だ。共産、社民と合わせて、「護憲勢力」としてせいぜい35議席程度確保できれば御の字だろう。

 これまでは、民進党右派を共産党との共闘で抑えつけて、安保法制反対を強制していた。一応「護憲勢力」として114議席(民進党88、共産党22、社民党2、自由党2)を占めていた。これが35議席まで減るのは「壊滅的惨敗」というしかない。民進党右派を失った時点で、護憲勢力は既に負けているのだ。

 ところで、本稿が「自称リベラル派」という表現を使っていることに引っかかっている方もいると思う。「自称」と呼んでいるのは、彼らが実は本物のリベラルではないと考えているからだ。本当の「リベラル」は、中道勢力である。