東南アジアにおいてスタートアップ企業を誕生させようという熱が高まっている。本連載で触れてきたように、孫泰蔵氏がMistletoeを通して起業家たちのエコシステムを構築する流れと同じ動きが世界各地で起きているのだ。今回は連載番外編として、マレーシア発の「オフィス革命」をご紹介しよう。(週刊ダイヤモンド編集部 小島健志)

マレーシア発の起業家育成オフィスは、こんなに遊び心満載だった!今年7月マレーシア・クアラルンプール近郊に誕生したソーシャルオフィス「CO3」 Photo by Takeshi Kojima

心地よさと遊び心満載の新たなオフィス

 マレーシアの首都・クアラルンプール近郊に位置するプチョン。イオンやダイソーなど日系企業が進出したショッピングセンター「IOIモール」のそばに今年7月、同じスペースを複数の利用者が使える共同オフィス「CO3」が誕生した。

 中に入ると、東南アジアにいることを忘れさせる洗練された空間が広がっていた。延べ約2万2000平方メートル。ビル3フロア分を利用した吹き抜けの作りで、暖色の照明が木製の長机を照らす。熱帯魚のいる水槽に観葉植物が並び、流行のカフェのような居心地のよさを感じる場所となっている。

 カフェ風のオープンフロアだけでなく、オンライン会議のできる一人用の個室から、複数人で使える会議室まで部屋も数多くある。一人ひとりが好きな場所を探せるようにと、部屋のデザインが全て異なっているのも特徴的だ。