ギリシャ向け第2次金融支援の実施に目途
金融システム不安は後退へ

 10月26日開催のユーロ圏首脳会議は、27日未明、欧州債務危機克服に向けた包括策を決定した。その内容は、市場参加者のリスク回避行動に明らかに歯止めを掛けるものである。声明文では、ギリシャ政府向け第2次金融支援の実施、欧州金融機関の資本増強、金融支援能力の拡大についての方針が示されたが、特に金融システム不安を後退させる上で、筆者が最も重要と考えていたギリシャ政府向け第2次金融支援の実施に向けて大きな前進が見られた。これによって、ギリシャ政府の債務不履行に伴う金融システム不安も影響し、低下してきたドイツ10年債利回りの底は、事後的にみれば9月下旬になると考えている。

 何故、ギリシャ政府への第2次金融支援が金融システム不安の後退に最も重要なのか。理由として、第2次金融支援がなければ、欧州の金融市場が2008年のリーマンショック以上の大混乱に陥ると考えられるからである。

 2010年5月にIMF(国際通貨基金)、ユーロ圏諸国から延べ1100億ユーロの第1次金融支援を受けることになったギリシャ政府は、2012年以降自力での国債発行を求められていた。しかし、2011年春時点のギリシャ10年債利回りとドイツ10年債利回りとの格差は1000bp(1ベーシスポイント=0.01%)程度と、国債市場復帰の分水嶺である400bpを大幅に上回り、12年の国債市場復帰は絶望的となった。そのため、12年以降のギリシャ政府の債務不履行を回避する上で、第2次金融支援が不可欠なのは明らかである。

ギリシャ政府債務不履行の場合は
リーマンショック以上の混乱リスク

 ギリシャ政府が債務不履行に陥る場合の影響は極めて深刻である。市場はユーロ圏諸国が域内諸国政府の債務不履行を容認と判断し、イタリア、スペインといったユーロ圏の大国の国債価格が急落、イタリア、スペイン10 年債利回りの対独10年債利回り格差は共に400bpを上回り、両国が金融支援を要請せざるを得ない状況となろう。