また、説明会の直後、筆者を含めて4人の記者によるJR東日本側との質疑応答の中で、筆者がJR西日本など他のJR企業の同コンソーシアムへの参画について聞いたところ、“今後の可能性”というニュアンスに留めるだけで、明確な答えがなかった。

 JR東日本が「モビリティ変革」という壮大な課題を民間企業と共に語ろう、というのならば、JR全社の意思統一がなされた時点で、コンソーシアムなり、協議会なりといった括りを政府や地方自治体を巻き込んだ形で行うのが筋だと、筆者は思う。

 こうした思いを、今回のコンソーシアム説明会に参加した、多くの企業が感じたはずだ。

民間からの期待は
JR自身が考える以上に大きい

 日本人はJRを、いち企業とは見ていない。なぜならば、JRは旧国鉄が民営化した公共交通機関なのだから。

 JRに従事する人々も、そうした意識がある。その証拠に、今回の説明会でも私鉄を「民鉄」と呼び、知らず知らずのうちに民間と旧国営を区分けしているではないか。

 その民間は、旧国鉄のJRのモビリティ変革に期待しているのである。JR東日本の新たなる試みが、もしかすると、日本におけるモビリティ革命を呼び起こすきっかけになるのかもしれない、という期待がある。トヨタや、ライドシェアリングのウーバーなどの公道向けのモビリティ関連企業がマーケティング向けで用いる「モビリティ変革」と、JRが掲げる「モビリティ変革」は別物だと、民間が考えるのは当然だ。JRの「モビリティ変革」とは「モビリティ革命」そのものでなければならないと、民間は見る。

「モビリティ変革」という言葉の重みを、JR東日本の関係各位にはいま一度、認識していただきたい。

(ジャーナリスト 桃田健史)