見通しとコントロールのしやすさで
兼業の組み合わせを考える

 要はどれだけ将来的な見通しがたって、状況を自分でコントロールできるかというということだ。両方先が見えない、IとIの組み合わせなどコントロール不能でもってのほかである。肝心なときにそこに居ない、機能できない、というあり得ない組み合わせなのである。

「重要な職を兼ねる」ことは本当に可能なのか

 ただ、重要な仕事の兼業であっても、大企業の社長と業界団体のトップなどといった組み合わせのように、仕事自体は異なれども、業界や組織を取り巻く環境がかなり重なっていて、先が読める、動き方が似ているという状況なら、兼業が可能だろう。あるいは地方自治体の首長と地域政党の代表または地方の権益拡大を目的とする政党といった例もありかもしれない。

組織体制やメンバーの
能力は十分か?

 兼業を可能にする第二の要件は、サポートメンバーの業務遂行能力が高いことだ。サポートメンバーの調査能力や、実効性ある選択肢づくりの能力、実行に向けての組織遂行力、課題の調整力などが優れていて、自分の仕事が「方向性を指し示すだけ」「決めるだけ」であれば可能だ。つまり自分は実務をしなくてもいいくらいに、予めさまざまなお膳立てをしてくれ、できるスタッフがいる組織であれば可能性が高くなる。しかし、自分が実務までやらなければならないとしたら、時間がいくらあっても足りない。

 そして、組織やサポートメンバーが完璧でも、当人に組織を使いこなす能力があるかも重要だ。優秀な組織であればあるほど、よほど巧みに動かさない限り、前例踏襲で終わってしまう。組織を使いこなすとは、人事権の使い方を心得ており、大きな流れを作ることができ、人心を掌握することができ、優秀な実務派のNo.2を縦横無尽に活躍させる、といったようなことができることである。