ドラフト前に大活躍
「持っている」選手たち

 1位指名候補以外でも注目の選手はいる。たとえばドラフト直前に目を見張る活躍を見せて評価を急上昇させた選手。野手では岩見雅紀(慶応大)。今年は東京六大学リーグの春に5本、秋は現在まで7本の本塁打を量産し、年間12本の六大学新記録を作った。通算本塁打数も21本になり、1位高橋由伸(現・巨人監督)の23本、2位田淵幸一氏の22本に迫っている。28日からの早慶戦を残しており、ここで3本打てば記録更新となる。

 投手では田浦文丸(秀岳館高)。今夏の甲子園では2回戦で中村のいる広陵高に打たれて敗れたが、9月のU-18ワールドカップでは日本代表の守護神として大活躍を見せた。その成績は6試合、13回3分の2で29奪三振、自責点2。左腕で140キロ台のストレートを持つが、冴えたのはキレの良いスライダーと打者のタイミングを狂わせるチェンジアップだ。アメリカやキューバの強打者がバットに当てることができず、面白いように三振が取れた。そのチェンジアップは現地では「魔球だ」といわれたほどだという。170センチ、75キロと投手としては小柄だが、変化球を巧みに操れるのはセンスがある証拠。プロでも十分通用するのではないかと思わせる。そして岩見にしても田浦にしても、ドラフトの直前に活躍できるのは運を持っていることでもある。指名されるかどうか注目したい2人だ。

 そして、もうひとり指名が注目されるのが、東京大学のエース、宮台康平。今秋の東京六大学リーグ法政大戦で東大は15年ぶりの勝ち点を取ったが、達成できたのは宮台がいたからに他ならない。法大の強力打線を抑えたのが、左腕から投げ込まれる140キロ台の威力あるストレートとコントロールされた変化球。とくにシンカーのキレはメジャーリーグのスカウトからも評価されているという。この実力に加え、左腕であることと東大出身の話題性もあって、獲得したい球団はあるだろう。

 宮台が指名されプロ入りすれば、東大出身のプロ野球選手としては6人目となる。これまでの5人はいずれも投手で(このうち井手峻はプロ入り後、外野手に転向)、残念ながらプロでは十分な活躍をしたとはいえない。宮台は東大野球部関係者も「歴代ナンバー1投手」と語る逸材だ。プロでの活躍が期待できることからも、ぜひ指名を勝ち取ってもらいたいものだ。

(スポーツライター 相沢光一)