希望の党の大惨敗
東京10区での痛い敗北

 まず、今回の選挙で誰もが注目したのは、希望の党の誕生と急速な没落だ。

 9月末、小池百合子都知事がいきなり国政政党「希望の党」の新設を発表。そこに民進党の前原代表が「合流」を発表したことから、一気に野党再編の期待を集めた。

 だが、筆者はもともと小池都知事の時期尚早な国政進出には反対の立場だった。(小池都知事率いる「希望の党」に全く希望が見えない理由)。国会議員を辞めて都政に転じたのに、何の実績も挙げぬ間に国政進出…というのは筋が全く通らないからだ。

 特に小池都知事の発言で評判が悪かったのが「排除」という言葉だ。代わりの有能な候補にアテが無いのならば、「排除」なんかせずに、いったん受け入れて勝手に滅びるか引退するのを待てばよかったのだ。

 特に総理経験者は、伊達にトップまで昇りつめたわけではあるまい。排除するのはそこではなく、むしろ政党を渡り歩く三流議員の方だったはずだ。今回は「二大政党」の一翼を担いうる野党の基盤づくりをする、ということだけ宣言し、政策協議は後でゆっくりやればよかったと思う。

 ただ、そもそも、「排除の論理」なんて、排除された政治屋からすれば大問題だが、正直、有権者からすればどうでもいいこと。むしろ、希望の党に投票する人の数が想定よりあまりいなかったのは、もっと本質的な原因がある。

 まず、自民党の「お友達厚遇」を批判しながら、自らが擁立した候補者のデタラメさはひどすぎる。例えば、東京7区で擁立した荒木章博氏は元熊本県議。なぜ熊本県議が東京から衆議院を目指すのか…と首を傾げていたら、7月に都民ファーストの会から当選した荒木ちはる都議会議員の父親だというのだから呆れてしまう。

 前回の衆院選で維新の党の近畿単独比例1位の座を得て当選した小沢鋭仁氏を、今回東京都第25区で擁立。もはや議員になるためなら選挙区も政党も関係ないと言わんばかりの見事な"政党サーファー"ぶりだ。

 小池都知事の地盤だった東京10区でさえ、若狭勝氏が惨敗。若狭氏は敗戦の弁で「私の敗因は野党の分裂」と述べたが、立憲民主党の候補にさえ得票数で負けている事実を見れば、あまりにも謙虚さに欠ける総括だろう。