©本川 裕 ダイヤモンド社 禁無断転載  拡大画像表示

 労働時間を把握している統計調査は、世帯を調査対象とする「労働力調査」「就業構造基本調査」と事業所を対象対象とする「毎月勤労統計調査」とがある。毎月勤労統計調査は、事業所で記録されている労働時間をもとにしており、当然、サービス残業はカウントされない。そこで、個人の側から労働時間を報告している労働力調査、就業構造基本調査をここでは使用する。

 なお、労働力調査は、毎年のデータが存在するのに対して、詳しい集計のためサンプル数を増やして実施される就業構造基本調査は5年おき(以前は3年おき)にしかデータが得られない。

 まず、図1に週60時間以上の割合の推移を示した。

 労働力調査の推移を追うと、経済情勢の動きに伴う残業時間の増減によって、長時間労働の割合は大きく変動してきた点がまず目立っている。高度成長期が1973年にオイルショックで終焉し、15%近くあった長時間労働は1975年に10.5%にまで低下した。その後、景気の回復にともなって長時間労働は増加し、バブルの絶頂期には17.2%にまで上昇した。