今回はその悪評を跳ね返さなければならない回のはずだったのだが、入場料が値上げになったにもかかわらず、“内容の貧相さ”にはむしろ磨きがかかった格好だ。

 今の日本は若者にとどまらず、ユーザーのクルマ離れが懸念されているという状況である。クルマの購入意欲が比較的高い団塊世代が高齢化でクルマから降りたあかつきには、「どこまで市場が縮小するかわからない」と危惧する声が出ているくらいだ。

 そのユーザーにクルマに興味を持ってもらうためのものであるはずの東京モーターショーに、高い入場料を払って行った人が貧相なコンテンツを見せられたら、どういう感想を持つだろうか。

中身が薄いショーをやれば
リピーターが減るのは当たり前

 東京モーターショーには現役の経営者だけでなく、元首脳も大勢訪れる。

 会場を歩き回っているとそういう元首脳と頻々と顔を合わせるのだが、「グローバル化が進む中、市場としては小さい日本のモーターショーが苦しいのはわかる。しかし、何回も連続して中身が薄いショーをやれば、リピーターが減るのは当たり前だ。今回がそのとどめを刺すことにならなければいいが」などと、行く末を心配する声ばかりが聞かれた。

 なぜ東京モーターショーの衰退が止まらないのか。

 理由の一つは、この元首脳が言うように、自動車産業のグローバル化が進んでいることだろう。市場規模の小さな日本でわざわざブランドをアピールする必要などない、という判断が出てくるのは無理からぬところだ。

 しかし、原因はそれだけではない。地元日本のメーカーの“熱意のなさ”もさることながら、それ以上に問題なのはモーターショーに関する自工会の考え方が完全に方向性を見誤っていることだろう。