今年のドラフト会議は、1位指名で複数球団が競合する選手が3人出た。
1番人気はやはり清宮幸太郎(早実)で7球団が競合し抽選の結果、日本ハムが交渉権を獲得。投手では実力ナンバー1との評価を受けていた左腕・田嶋大樹(JR東日本)は2球団が競合しオリックスが、今夏の甲子園で大会本塁打など打撃記録を次々と塗り替えた打てるキャッチャー・中村奨成(広陵)も2球団が競合して広島が交渉権を獲得した。
清宮、田嶋に加え、打撃では清宮と並ぶ怪物といわれた安田尚憲(履正社)がロッテと、今年も前評判が高い選手はパ・リーグの球団が交渉権を得た。この流れが続けば人気でもパ・リーグがセ・リーグを超えそうだ。
もっともプロとしては横一線からのスタート。前評判や指名順位とは関係なく、結果を残した者だけが生き残る世界であり、ここからが勝負なのだ。
ただ、指名を受けた選手が母校や所属する会社で喜びを語り、チームメイトなどから祝福を受ける姿はいいものだ。実は筆者の知人にも今ドラフトで指名を受けた選手の友人がいる。ヤクルトから7位で指名された松本直樹捕手(西濃運輸)と高校野球部でのチームメイトだった男で、友人がプロから誘われたことを我が事のように喜んでいた。同じグラウンドで汗を流し、苦楽をともにした仲間がプロという夢への挑戦権を得ただけで誇らしいという。今ドラフトでは82人が指名を受けた(育成指名は30人)。そのチームメイトだった選手たちや友人たちは同様の喜びを感じていることだろう。