そんなゆうこすに注目するのは、若い女性だけではない。女子高生から起業家、クリエイターまで、さまざまなジャンルから注目が集まっている。たとえば、こちらのインタビュー記事(下記)を見てほしい。

 ◎参考記事: 女子高生も、芸能人も、起業家も、みんなが彼女の噂をする。菅本裕子 23歳。

 このインタビュー記事が掲載されている「milieu(ミリュー)」は、クリエイティブがテーマのブログメディアであり、インタビュアー自身が「まさか、元アイドルを取材することになるなんて」と語るようなメディアである。記事中でも述べられているが、メディアや広告関係の現場で「いま注目のコンテンツメーカーは?」という話題になると、彼女の名前を挙げる人が多いという。

 そのコンテンツの中身は、メイク商品のことだったり、女性のモテの話だったりで、DOL読者にはあまり関心がない分野だと思うので詳しくは述べないが、ここで伝えたいことは、「衆院選における自民圧勝との共通項」だ。

 これまで世論形成はテレビ・新聞が行ってきたわけだが、アイドルなどの女性タレントを生み出してきたのは、テレビ・雑誌だった。人気女性誌の表紙モデルに抜擢されれば人気モデルとなり、テレビ番組に出演すれば人気アイドルになれた。「メディアが支配してきた」という意味では、政治も芸能の世界も同じだった。

 しかし、ネットの登場により、「その構造が覆される」と誰もが直感的に感じたが、それが現実となるには時間がかかった。だが、それが政治の世界で現実となったのが、今回の衆院選。そして、芸能の世界で現実になったのが、ゆうこすである。

 ゆうこすを女性芸能人のくくりに入れることには、反論もあるかもしれない。しかし、若い女性が憧れるという意味では、モデルやアイドルも、ゆうこすも同じだ。そして、アイドルでもモデルでもないコンテンツメーカーという、まさにイマドキの新しいジャンルで、彼女は憧れの存在になった。その意味で、ゆうこすは「新しい」のだ。これは、芸能事務所とテレビと雑誌が支配してきた、若い女性向け市場における「革命」でもある。

 つまり、マスメディアやプロデューサーが支配する世界は、完全に終わりを告げたと言える。AKBグループという旧来的なアイドルシステムから飛び出して、一度は地に落ちながらも、SNSを武器に自力で這い上がってきた、ゆうこす。テレビ・新聞という旧来的な世論形成システムから叩かれながら、SNSを武器に大勝利を収めた、安倍政権。旧体制を打ち破るという意味では共通項があり、それはまさに時代を象徴する出来事だ。

 これは時代のメガトレンドであり、マーケティングからリクルーティングまで、企業のあらゆるコミュニケーション活動にも根本的な変革を強いる変動である。かつて寺山修司は、「書を捨てよ。町へ出よう」と言ったが、これからのビジネスパーソンは新聞を捨て、ネットの海に出るべきなのだと思う。