偉大さの内容で三つのカテゴリー

 筆者は、米国の「コーチ」として有名なアンソニー・ロビンズ氏が著した、青い表紙の「世界のエリート投資家は何を考えているのか」と、赤い表紙の「世界のエリート投資家は何を見て動くのか」(共に鈴木雅子訳、三笠書房)の解説を書く機会があった。大部の原書のため、内容で2冊に分けて翻訳が出された。

 もともと投資の専門家ではない「コーチ」が書いた投資の本がどのようなものなのか、実は、解説を頼まれた時に大いに心配だった。しかし、著者は、レイ・ダリオ、カール・アイカーン、ウォーレン・バフェット、ジョン・C・ボーグル、チャールズ・シュワブ、リチャード・セイラー、デイビッド・スウェンセン、ポール・チューダー・ジョーンズといった、投資に関連する世界の掛け値なしの「大物」へのインタビューに基づいてこの本を書いている。

 ここで、たまたま8人の名前を挙げたが、投資の世界における彼らの「偉大さ」の内容は同じではない。大きくは、三つのカテゴリーに分類することができるだろう。

 第一のカテゴリーは、ウォーレン・バフェット、レイ・ダリオ、カール・アイカーンなど、実際に投資して大いに儲けた投資の実践家たちだ。

 個人が所有する資産額で言うとウォーレン・バフェット氏が最大の成功者なのだろうが、アンソニー・ロビンズによると、一定の運用期間で見たリターンはカール・アイカーンの方が上なのだという。

 第二のカテゴリーは、インデックスファンド大手の運用会社ヴァンガード社を創業したジョン・C・ボーグルや、ディスカウントブローカー大手の証券会社を創業したチャールズ・シュワブのような、投資家にとって大きな環境の改善をもたらしたビジネスのイノベーターたちだ。

 日本にもインデックスファンドやETF(上場型投資信託)はあるし、ネット証券を中心にディスカウントブローカーに分類できる証券会社はあるが、残念ながらビジネスモデルは米国からの輸入品だ。