後悔のない30代を送るために必要な人付き合いとは? ライフ&ビューティディレクターとして活躍する渡辺佳恵さんと、『30代を後悔しない50のリスト』の著者・大塚寿さんが語る、人生の土台をつくる30代の人付き合いの方法。
利他の心を持ち、
利害を超えた人付き合いを大切にする
渡辺:人間の原動力は欲なので、当たり前だけれど、「きれいな欲」を持つべきだなと思います。それで、『30代を後悔しない50のリスト』では「利他の心」について、『40代を後悔しない50のリスト』では「利害を超えた人付き
合い」について書かれていますが、読んでいて、本当にそうだなと思いました。お互いが組むことによって、ウィンウィンになる欲は、とてもいい欲だと思うんですよ。でも、この人から何かを奪ってしまおうなどという欲はよくない。
大塚:そうですね。本の中でも書いていますが、ギブ&テイクの発想だと利害が絡むんです。与えてもらう代わりに与えるみたいな考えだと、本当の人間関係は生まれないですし、長い付き合いというのもできないと、多くの先人たちも後悔しています。
渡辺:はい、それは私もそうだとすごく思いますね。だから、私はいろいろやってあげることがすごく好きだし、実際にいろいろなことをサービスするんです。それを馬鹿じゃないって言う人もたくさんいるんですよ。
たとえば、私のブログはPVがそこそこあるので、友だちが経営するお店に行ってごはんを食べたり、誰かがプロデュースした化粧品をもらったりしたら、ブログで紹介するんですね。でも、そんなのプロモーション会社から依頼されるとお金をもらえることなのにって言う人もいるんですけど。けれど、友人がやっていることは応援したいし、それによって、逆に今度自分がお願いしたいことができたときにはお願いしやすくなりますし。自分がやったことがすぐに返ってこなくてもいいと思っているんです。
大塚:おっしゃる通りですね。いろいろな成功者を見てきましたけど、みなさん、そのギブ&ギブの発想を持っていると思うんです。見返りを求めなくても、誰かにやっておくとそれが返ってくるというのを「返報性の法則」って言うらしいんですが、成功者はこの法則を無意識に理解しているのだと思います。見返りを求めてやるんじゃなくて、純粋に相手を思ってやっておくと忘れたころにドンと返ってくる。持って行っちゃう人も多いですけどね(笑)。
渡辺:そうですね。すべてが返ってくるかというと、そんなこと全然ないし、やったことによって逆に踏みつけられることもたくさんあるんだけれど、それでもやってきてよかったなと思うことのほうが多いですし、これからもそうありたいなと思っています。でも、みんななかなかそういうことをしようとしない。それはもったいないなと思いますね。