総選挙は自民党の大勝だったが、今後の安倍政権の経済運営はどうなるのだろうか。まず、総選挙の目玉だった教育無償化を見てみよう。
早速、政府の「人生100年時代構想会議」は27日、会合を開き、安倍政権が掲げる「人づくり革命」の中心テーマである教育無償化などに関する議論を本格スタートさせた。議論はスタートしたばかりだが、はっきりいってあまり期待できない。
教育無償化、税が財源では限界
社会保障費抑制のしわ寄せも
教育無償化は、自民・公明両党が衆院選で公約に掲げており、その実現が待たれているものだ。安倍晋三首相は教育無償化など総計2兆円の政策パッケージを年内に取りまとめる意向を表明している。
本コラム(『教育投資の財源は「こども保険」より「教育国債」の筋がいい』)で書いたように、教育は投資である。
しかも、将来の見返りは、投下資本より大きい優良な投資だ。
投資であるならば、便益が長期に及ぶために、長期の外部資金・債券発行、つまり「教育国債」発行で財源を調達し、将来の果実をその返済に充てるのが筋である。少なくとも、この原理は普遍的であり、財務・ファイナンスの初歩の初歩である。