欧米には肩こりがない!?眼精疲労などがもたらす「肩こり」の恐怖

「たかが肩こり」と思って放置していませんか? 甘くみていると、重大な病気がひそんでいることも。発売中の週刊朝日MOOK「腰痛 肩こり ひざ痛のいい病院」では、肩こりの主な症状について取材。まずは原因を知ることからはじめましょう。

 首から肩にかけての筋肉が張った感じやこわばった感じ。重圧感や不快感、鈍痛……。肩こりや首こりに悩んでいる人は多いでしょう。そもそも「こる」とは、どのような状態なのでしょうか。

 あらい整形外科院長の新井貞男医師はこう話します。

「欧米諸国には肩こりに相当する言葉はなく、日本独特の訴えです。また、肩こりは病名ではなく症状ですが、そのメカニズムはいまだ明らかではありません。考えられる原因も多岐にわたります」

 最も多いのは筋肉のこりによるもので、一般的な肩こりはこれに相当します。なお、こうした肩こりの原因として近年、筋肉などを覆っている筋膜(きんまく)が注目されていますが、科学的根拠とするにはもう少しデータの集積が必要ということです。

 一方で、頸椎(けいつい)椎間板ヘルニアや高血圧など、病気が原因と考えられる肩こりも少なくありません。「ヘルニアがあることに気づかないまま、筋肉のこりを改善しようとマッサージなどを受けた結果、症状が悪化したケースなどの報告があります。また、肩こりの原因が内科的な病気である場合、心筋梗こう塞そくなど放置しておくと命にかかわるものも。肩こりが続く場合は一度、整形外科で診断してもらい、そのうえで自分に合った治療を受けることが大事です」(新井医師)