ブッシュ(父)元米大統領は、1992年の大統領選敗北について、グリーンスパンFRB議長への恨みを後のインタビューで語っている。「もしFRBが金利をもっと劇的に引き下げていたならば、私は再選されていただろう」。
来年の米大統領選で、オバマが再選される確率が成長率によってどう影響されるかというN・シルバー氏の予想を「ニューヨークタイムズ」が掲載していた。
2012年の経済成長率が4%に高まるという超楽観シナリオの場合、オバマが勝つ確率は、共和党候補者がロムニーなら60%、ケインなら75%、ペリーなら83%だ。ウォール街のエコノミストによる来年の成長率予想平均は2.3%である。それを前提にしたオバマの再選確率は、ロムニーなら40%、ケインなら56%、ペリーなら68%。成長率が0%に落ち込めば、ロムニーなら17%、ケインなら30%、ペリーなら41%へ低下するという。
オバマの現在の支持率は低迷しているが、即効性があり、かつ弊害のない金融政策をFRBが見つけることは困難である。先行きFRBが導入する可能性があるのは、住宅ローン金利の低下を促すためのMBS(モーゲージ担保証券)の大規模買い取り策だ。