頑張っている人が
報われやすい時代になっている

 企業にとって派遣やアルバイトでの雇用は景気の調整弁という側面があります。だから景気が悪くなると、人件費の削減のために派遣やアルバイトからリストラし、社員の解雇に手を付けるのは後手に回します。不況は非正規雇用の人にとって、頑張っても報われにくい時代と言ってもよいでしょう。

 しかし現状では景気が好転し、人手が足りずに派遣を依頼する前向きな形が多いので、企業は「正社員で採用するから来ませんか」と、労働者にとってより有利なオファーを出すようになっています。

 状況は非正規雇用者にとって好転していますが、「派遣やアルバイトで働いた経験しかないのに正社員募集に応募してもまともに相手にされるだろうか」と心配する人がいます。実は、その心配は無用です。確かに正社員ではなく派遣やアルバイトで働いていたことが評価に何らかの影響を与えることはありますが、それは大きな問題ではありません。問われるのはその立場で何をして、何ができるようになったのかです。

 だから未経験の分野へキャリアチェンジしたいという若い人がいると、私はまず派遣で働くことを勧めています。未経験だと正社員採用は難しいですが、派遣ならハードルが低く採用されやすい。しかしそこでどんどん経験を積んで仕事ができるようになれば、企業はちゃんと評価します。

 もちろん漫然と時間を過ごすだけの働き方をしていたら評価されませんが、自分でキャリアをつくるんだという意識を持って業務に取り組み、「派遣の2年間でこんな仕事をやりました」と言えるものをつくれば派遣やアルバイトという立場はまったく関係なく評価され、転職できたり正社員雇用されたりするようになるのです。

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 ただ、派遣やアルバイトから正社員になったからといって、バラ色の未来が待ち受けているかといえばそうでもありません。とくに大企業の場合、新卒入社組、中途採用入社組、派遣登用社員組で色分けされ、昇進や昇給、賞与に差があることを薄々感じることもあると思います。

 それでも派遣やアルバイトの立場でいるよりも、正社員の立場のほうがいろいろな面で守られているのは確かですし、教育を受けられる機会も多いでしょう。

 前述したように、報われにくい時代があまりにも長く続いたため「一生懸命働くのは損だ」という感覚を持ってしまった人も少なくないかもしれません。しかし現在は必ず報われるとまでは言いませんが、間違いなく以前より報われやすくなっています。なので、思い切り働いてチャンスをつかんでいただきたいと思います。

(株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)