2010年5月以降ユーロ圏でIMF(国際通貨基金)などから金融支援を受けた国はギリシャ、アイルランド、ポルトガルと、比較的経済規模が小さい国であったが、直近では、ユーロ圏第3の経済大国であるイタリアまでも、金融支援を必要とするのではとの懸念が高まっている。
イタリア10年債利回りのドイツ10年債利回りとの格差は10月31日に400bp(1bp=0.01%)を上回り始め、11月9日にはユーロ発足以来最高となる553bpとなった(図1)。ギリシャ、アイルランド、ポルトガルが金融支援を仰ぐ直前には、いずれも各国の10年債利回りとドイツ10年債利回りとの格差が400bpを上回った。
400bpというのは経験的には、自国の金融機関でさえも、信用力が低下した自国の国債購入に躊躇する水準、政府がIMFなどに金融支援を要請する分水嶺となっている。幸い、次のイタリア国債の償還時期が2012年2月となっているため、イタリア政府が今すぐに金融支援を必要とする状況ではないが、このままではイタリア政府が自力で資金調達を継続することが危ぶまれる。